他分野よりも複雑な手続き
2019年4月からスタートした特定技能制度の諸分野の中でも、建設業の分野は独自の取り組みもあり、手続きにはより手間がかかるようになっています。言い換えれば、それだけ働く人にやさしい制度になっているということなのかもしれません。以下順を追って説明していきます。
1号建設特定技能外国人受入れのながれ
JACへの加入
建設特定技能外国人を採用するにあたっては、まず「一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)」に加入していなければなりません。これは特定技能制度の各分野全てにおいて加入することとされている「分野別協議会」と呼ばれるものにあたります。直接加入していなくても、受入企業が所属している業界団体がこのJACの正会員になっていればそれで足ります。
JACの正会員となっているおもな団体は、
- (一社)全国建設業協会
- (一社)日本道路建設業協会
- (一社)全国中小建設業協会
- (一社)日本電設工業協会
など、全39団体が会員となっています(令和2年6月4日現在)
あとで説明しますが、国土交通省に受入計画の認定申請をする際に、会員証明書を添付する必要があります。
JACへの受入負担金
JACではおもに適正に特定技能制度の運用がされるよう、
受入企業及び、特定技能外国人に対する巡回訪問による指導及び助言や(1年に1回以上、全ての受入企業の事業所を巡回訪問)
特定技能外国人からの苦情・相談に対して、母国語等によるホットライン業務を実施しています。その原資として受入負担金を徴収しています。
1号特定技能外国人の区分 | 1人あたりの受入負担金月額 |
海外試験合格者(JAC指定の海外教育訓練を受ける場合) | 20,000円 |
海外試験合格者(上記以外の場合) | 15,000円 |
国内試験合格者 | 13,750円 |
試験免除者(技能実習2号修了者等) | 12,500円 |
建設業許可の取得
すでに建設業許可を取得している方も多いとは思いますが、特定技能外国人を受け入れるには、建設業許可を受けた事業者であることが要件となっています。
受入計画の認定申請の際に建設業許可番号を記載するとともに、建設業許可証等の写しが必要になります。
建設業許可申請は当事務所で手続きをお引き受けいたします。書類を揃えて申請してから、許可が出るまで、少なくとも1ヶ月半はかかります。それらの期間も考慮して準備しましょう。
建設業許可取得の費用
建設業許可 (一般)知事 の当事務所費用(個人) | 110,000円〜(税込) |
建設業許可 (一般)知事 の当事務所費用(法人) | 140,000円〜(税込) |
建設業許可(新規)の登録免許税(法定費用) | 90.000円 |
建設キャリアアップシステムへの登録
2019年4月からスタートしました、一般財団法人 建設業振興基金の運営する建設キャリアアップシステムへの、特定技能外国人の登録が必要です。
建設業許可と同様に、受入計画認定申請の際に事業者IDを記載する必要があります。
国内人材確保の取組み
「特定技能制度」は国内での人材確保の取組みを行なってもなお人材の確保が困難な場合に限って、外国人を雇用することができることになっています。
そのため、ハローワークで求人した際の求人票などが受入計画認定申請に必要となります。
特定技能雇用契約の締結
特定技能雇用契約に係る重要事項説明
特定技能外国人と雇用契約を締結するのに先立ち、報酬予定額や業務内容、控除される費用(住居費や食費など)などを外国人が十分理解することができる言語で説明しなければなりません。この重要事項説明はFaceTimeなどテレビ電話などで行なってもかまいません。
特定技能雇用契約のポイント
日本人と同等の報酬が求められる
特定技能1号評価試験合格者などは3年以上の経験を有する者として扱うことが求められます。受入計画認定の審査においては
- 同じ事業所内の同等技能を有する日本人技能者の賃金
- 事業者が位置する地域内における同一又は類似職種の賃金水準
- 全国における同一又は類似職種の賃金水準
と比較して、低いと判断された場合には引き上げるよう指導されます。
月給制の採用
建設業界では日給制で賃金を支払う例が多いかと思いますが、特定技能外国人に関しては月給制の採用が求められます。工事の受注状況や天候などによって「思ったより稼げない」ということで、就労意欲の低下や、失踪につながることを防止する観点からこうなっています。
昇給等について
技能の習熟(資格等を取得した場合等)に応じて昇給を行う必要があり、その見込額をあらかじめ雇用契約や受入計画に記載しておくことが必要となります。また、賞与、各種手当、退職金についても日本人と同等である必要があり、特定技能外国人だけが不利になるような条件は認められません。
建設特定技能受入計画の認定申請
新たに特定技能雇用契約を結ぶ場合には、受入企業は建設特定技能受入計画を作成し、必ず国土交通大臣の認定が必要となります。(オンライン申請)
受入の要件を満たしていることを証する書面(JACの会員証明書、建設業許可証、ハローワーへの求人票など)も添付します。
認定には2ヶ月程度かかります。
現在、日本国内に在留している技能実習2号を良好に終了する見込みの外国人を採用する場合には「技能実習」の在留期間満了日の半年前から受入計画の認定申請が可能ですので、計画的に準備しましょう。
1号特定技能外国人支援計画の作成
特定技能制度で重要なのが支援計画です。建設業分野に限らず全ての分野で必要なものです。2号特定技能には不要です。日本での生活が不慣れな外国人のために、より良い環境を提供するためのものです。義務的支援と任意的支援がありますが義務的支援は下の図のとおりです。
在留資格変更許可申請等
特定技能受入計画が国土交通大臣から認定されましたら、現に日本に別の在留資格(「技能実習」「留学」など)を有して滞在している場合には在留資格変更許可申請を、新たに外国から来日してくる場合には「在留資格認定証明書交付申請」を行います。このとき、認定された受入計画の書類や、「特定技能所属機関概要書」他数多くの書類を準備して申請することになります。
在留資格変更許可、在留資格認定証明書が取得できましたら、就業の準備、来日の準備に移行し、計画に沿って支援計画を進めることになります。
受入報告書の提出
受入企業は、1号特定技能外国人の受入後、原則として1ヶ月以内に受入報告書をオンラインで国土交通大臣に報告を行います。
受入れ後講習又は研修の受講
受入企業は1号特定技能外国人の受入後、その外国人に対して、国土交通大臣が指定する「受入後講習」(有償)を受講させる必要があります。
ただし、①JACが受入後講習に相当する内容を外国人に対して来日前に行った場合②建設特定技能受入計画の認定前に受入企業がFITS(一般財団法人 国際建設技能振興機構)による事前巡回指導を受けた場合は、受入後講習の受講義務は免除されます。
申請手続きをサポートいたします
いかがでしたでしょうか?特定技能制度で外国人を受け入れるにはこのように複雑な手続き、書類が必須となっています。行政書士 ライトハウス総合事務所では建設特定技能外国人受入れを全力でサポートいたします。送り出し国ごとの独自の手続きから、建設キャリアアップシステム、受入計画の認定申請サポートなど、初めて受け入れる事業者様にも、安心していただけるよう細部にわたり対応いたします。相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。
外国人の生活支援もお任せください
行政書士ライトハウス総合事務所は登録支援機関に登録済みです(登録番号:21登ー005970)
- 支援計画の作成
- 来日時の出迎え
- 住居の確保(賃貸住宅)のお手伝い
- 役所手続きなどへの同行
他、義務的支援を含め対応いたします。安心してお任せください。
報酬額について
在留資格認定証明交付申請(建設特定技能) | 160,000円〜 | 複数人同時申請 他割引あり |
在留資格変更許可申請(建設特定技能) | 120,000円〜 | 〃 |
生活支援業務 | 25,000円〜 | 1名/ 月 |
詳細はお見積もりさせていただきます。(見積無料)
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